先日久々に飛行機に長時間乗っていて、退屈しのぎに機内誌を読んでいたら、俳優の佐々木蔵之介さんによる沖縄県の宮古島での体験記事が載っていた。現地でさまざまな人達と出会い、語り、なかでも地元の居酒屋の暖簾の下で、明るいおばさん達と楽しそうに笑い、テーブルで美味しそうに冷や酒を飲んでいる蔵之介さんの写真を見ると、僕がまだ行ったことのない宮古島でのひとときが羨ましくなった(僕は大阪市の都島へは仕事でときどき行っていて、営業先でさまざまな人達と出会い、セールスし、お昼を食べに入った食堂でお冷やを飲むという機会はある)。と同時に、蔵之介さんの実家である佐々木酒造さんから販売されている、ドラマ放映期間限定のハンチョウが急に飲みたくなってきた。僕だって小学生のとき、クラスで班長に就いていたのだ。
数日後、家に帰ると家内から夜の鍋の具を買い足して来て欲しいと頼まれたので、その足で百貨店のお酒売り場へ直行する。人気があるのでひょっとしたら品切れになっていないかなと心配になったが、大丈夫、売っていた。720mlビンが透明ケースに入っていて、「ちょっといい升、ついてマス」と僕が喜びそうな文体で書かれた赤いラベルが貼ってあり、精算時に何か貰えるのかなと思ったが、レジのお姉さんは何の反応もない。よく見れば透明のクリアマスというのが、ちゃんと透明ケースの上部に納められていて、どちらも透明だから僕が気付かなかったのだ。
とにかくハンチョウが買えて意気揚々と帰って来たのだが、家へ帰るなり、娘から「鍋の具、買えた?」と言われ、肝心なことをすっかり忘れていたというのも癪なので、「いや、あの、あれ、ハンチョウ。ハンチョウが買えたけど重いさかいにいったん家に置きに帰って来たんやねん」と苦しまぎれの返事をし、再びダイエーグルメシティに向かったのでありました。
鍋をつつきながらハンチョウを冷やで飲む。僕はお酒に関してコメントする資格は無いし、酒類に関する資格も持っていないが、素人の意見として聞いてもらえるなら口当たりは滑らかで、どちらかと言えば辛口。これしか言えないが、飲みだすとキリがなくなりそうなのでクリアマス2杯でガマンし、次の楽しみを残してビンを棚に丁寧に仕舞った。
ああ、美味しかった。
                                           サラリーマンNAO  (号外41)  

Posted by kyo-miti  at 00:44コメント(0)ショッピング